盈進中学高等学校の皆さんへ

まずは昨年の復習をします。

今日の話

遅寝と過剰な光は、自律神経を乱し若者の健康を害します。

 

論語に、過ぎたるは及ばざるが如しの言葉があります。前回は過剰な光が自律神経不調の原因となる話でした。なぜ過剰な光が自律神経の不調をきたすのか、子供でも分かるよう解剖生理学をイメージ図で説明します。

昼間の1万ルクス前後の光が脳に優しいのは、昼間の自律神経(交感神経)は電位の高い状態にあるからです。夜の自律神経(副交感神経)は電位の低い状態にあるため、夜の照明は500ルクスと昼間の10分の1以下でも副交感神経にとっては刺激となります。

(図の説明)体内時計と自律神経中枢、睡眠覚醒中枢、摂食中枢との関係図です。

時計遺伝子(以下体内時計)の中枢は視床下部にあり、夜9時以降の明るい光は体内時計を興奮混乱させます。この興奮と混乱は、お隣の高位自律神経中枢、同じくお隣の睡眠覚醒中枢、そしてお向かいの摂食中枢の興奮と混乱へと波及します。夜の9時以降、2時間、3時間、4時間と長時間スマホで遊ばれると、過剰な光は視床下部(4グラム)全体を興奮と混乱に陥れ、その先端にあるホルモンの中枢であり、成長ホルモンを分泌する下垂体(1グラム)まで波及します。わずか5グラムの脳(脳の重量13001400グラムの0.4%)が興奮混乱疲弊すると、頭痛、めまい、イライラ、疲れ易さ、食思不振、便秘下痢などの自律神経障害、夜眠れない、朝起きられない、睡眠と覚醒の障害、朝ごはんを食べたくない、食欲障害へとつながっていきます。健康な生活とは、夜は目の前にブルーライトを近づけないことです。淡い照明での読書くらいがよろしいです。子供は9時過ぎたら、大人は10時過ぎたら消灯です。