深津小学校の皆さんへ 子供の笑顔を増やそう


30万年-狩猟・採集生活-<太陽と共に生活>

30万年は狩猟しゅりょう・採集生活でした。狩猟しゅりょう・採集に必要なのは視力です。そのため昼間のブルーライトを感受する特別な細胞を目の奥にある網膜もうまくに進化させ、視力を高めてきました。人は嗅覚きゅうかく鼻腔びくうの天井奥に小さくしまい込み、嗅覚を犠牲にしてまで視覚を優先して進化させたと考えられています。  


1万年-農耕生活-<太陽と共に生活>


100年-エジソン白熱灯-<過剰な光の世界>


10年-スマホの光-<過剰なブルーの光>

30万年、光を求めて発達した目の網膜(もうまく)細胞(さいぼう)は、この10年、過剰な光に驚き、疲れています。過剰な光は時計遺伝子の集まった体内時計を混乱させ、睡眠のリズム、自律神経のリズムを乱し、脳と体は混乱状態に陥り、やる気、集中力、情緒の安定は損なわれます。

 

昔の子供 児島湾干拓地の子供たち

この干拓地は福田地先と呼ばれ、まだ小学校はありませんでした。私たちが通った遠くの福浜小学校は1クラス50人、4クラスありました。この内3クラスの級長が福田地先の子供でした。地先の子供には頭の良い子が多いのはなぜと話題になったものです。答えは明白です。それは長い道のりを歩いて登校したからです。そのためには朝早く起きて、朝ごはんをしっかり食べ、1時間歩いて登校する必要がありました。このため、必然的に夜早く寝る習慣になっていたのです。小学生のほとんどは9時前消灯、6時過ぎ起床し9時間以上の睡眠をとっていたのです。福田地先の子供は頭が良い理由は早寝だったのです。

 

令和の子供 ゲーム、スマホに負ける子供たち

今の子供はおおむね遅寝です。10時消灯する子がどんどん減っています。遅い子は11時、12時と遅寝です。原因となっているゲーム機、スマホの保有率は小学5年生で半数以上、 中学生では、ほぼ全員が持っています。8時間寝ない子供がどんどん増えています。学校に遅刻する子供、忘れ物の多い子供、イライラ落ち着きのない子供、体育を休む子供、そして不登校の子供も珍しくなくなりました。

 

NS 寝ないと損ばかりする

寝ないとNFになるという言葉を耳にします。私は寝ないとNSになると注意を呼び掛けています。NSとは寝ないと成績が下がる、寝ないと身長が下がる、寝ないと視力が下がる、など睡眠を粗末にすると成長ホルモンが減少し損することばかりです。

 

地球とけんかをしても勝てません

睡眠は大切な生命活動のひとつです。睡眠なしには人は生きられません。人は1週間の絶食はできても、1週間の断眠はできないことは有名です。人はなぜ眠るのか、人はなぜ睡眠を必要とするのか、成長期の子供に必要な睡眠時間は9時間、その始まりは太陽が沈んで2時間後です。この9時間という睡眠は、人類が進化の過程で覚醒(かくせい)を優先し、睡眠をぎりぎりまでけずった結果なので、これ以上は削れません。

 

 

視神経の近くに時計遺伝子の集まった体内時計が太陽と連動し時を刻んでいます。時計遺伝子は、9時になると活動を停止し、太陽が昇る朝6時に活動再開します。 この間が9時間です。

成長ホルモンがたくさん出る子供の時計遺伝子は、大人より1時間早いのが特徴です。

 

野生動物は命がけで睡眠を確保しているのです。ところが、子供達は地球の自転と太陽に逆らって睡眠を粗末にしています。

全ての生き物は地球の自転24時間と同期した時計周期を持っています。人間も地球の一部です。

クラブ活動・塾やテレビ・スマホなどで消灯時刻が遅くなる子供が激増しています。

 

体内時計と自律神経の中枢は隣同士です。両者はお互い情報をやり取りしています。子供が過剰な光を浴びて遅寝をすると、時計遺伝子と隣の自律神経中枢は休息できません。 子供が朝起きられない、便秘、食欲不振など体の不調につながり、学校への遅刻、なかには不登校に陥る子も出てきます。

おそ寝と体臭